SICKNESS
病気のお話し
椎間板ヘルニアのお話し
進行性脊椎軟化症とは
- 椎間板ヘルニアと聞いて命に関わる病気だとは思わないでしょう。この病気は命に関わる病気であり、発症に椎間板ヘルニアが大きく関わってきます。
- まったく歩けないような重度の後肢麻痺を示す椎間板ヘルニアの犬のおよそ5%に発生するとされ、脊髄神経が軟化する(溶けてしまう)病気です。椎間板ヘルニアにより、脊髄の血管が圧迫され血行が悪くなり、軟化が始まるとされています。
- この病気を発症してしまうと神経の軟化は、あたま側へと進み後肢だけでなく最終的に呼吸に関わる筋肉をも麻痺させ、呼吸ができなくなり死亡してしまいます。
- 残念ながら現在の獣医学では進行性脊髄軟化症の治療法はなく、発症してしまうと通常の椎間板ヘルニアの手術(神経の圧迫の解除)を行なっても進行を止めることはできません。発症させないことが重要なのです。
- 発症をさせないためには、椎間板ヘルニアの早期診断と治療が必要になります。当院での診断は神経学的な検査に加え、手術が適用と思われる症例にはMRI検査を重視しています。現在、進行性脊髄軟化症の診断基準は明確にはされていませんが、MRIの画像によって、神経のダメージを予測することが可能であると考えています。MRI画像で神経のダメージが疑われた症例では手術の際、神経の変色が認められる傾向にあります。
- 当院では重度な椎間板ヘルニアを疑う症例では、できる限り迅速にMRI検査から手術まで行なえるように努力しています。
従来の単純X線写真
進行性脊髄軟化症の可能性が低いMRI画像および手術時の神経